整骨院での施術に保険は適用されるの?確実に保険を受け取るには
「整骨院で身体の痛みを改善してもらいたい」と思ったときに、健康保険が適用されるかは大きな問題です。交通事故によるケガであれば、保険金がもらえそうにも思えますが、実は通院の仕方によっては保険金が下りないこともあります。今回は、確実に保険を受け取るためには、何に気を付ければいいのか解説します。
目次
整骨院の施術に健康保険や医療保険は適用される?
整骨院での施術には、健康保険・医療保険が適用される施術と、適用されない施術があります。何も知らずに施術を受けると、保険が適用されずに全額負担となってしまうことがあるのです。どのような症状であれば保険が適用されるのか、詳しく見ていきましょう。
健康保険が適用されるか否かはケースバイケース
整骨院の看板を見ると、「各種保険取り扱い」と記載されていることがあります。しかし、整骨院での施術に健康保険が適用されるか否かはケースバイケースです。同じ症状であっても、医師の同意が必要であったり、負傷の原因によっては適用されなかったりします。柔道整復師に施術してもらう前に、自分で健康保険の適用範囲内となる基準をチェックしておきましょう。
健康保険が適用される場合でもいったん全額を支払わなければならない?
整骨院・接骨院で健康保険を利用する際、施術費用は「療養費」として扱われます。いったん患者が全額を負担した後、協会けんぽなど保険者に申請して払い戻しを受ける、という流れです。
しかし実際には、整骨院の窓口で自己負担分のみ請求されるケースがほとんどで、一時的にでも全額を支払うケースは殆どありません。これは、整骨院の事務所が患者に代わって、治療費を保険事務所に請求する仕組みが取られているからです。
健康保険が適用される症状
健康保険が適用されるのは、外傷性が明らかな骨折・脱臼・打撲・捻挫です。ただし、骨折と脱臼に関しては応急処置の場合を除き、医師の同意が必要となります。急性(もしくは亜急性)の負傷であるのが条件で、慢性化した症状については対象外となることに注意が必要です。
マッサージなどの場合には健康保険は使えない!
整骨院・接骨院では、リラクゼーションを目的としたマッサージなど、健康保険が使用できないケースが多いことにも気を付けましょう。具体的には、以下のケースが挙げられます。
- マッサージ
- 肩こりや筋肉疲労
- 神経痛やリウマチなどの病気からくる痛み
- 脳疾患後遺症などの慢性病
- 過去の交通事故などの後遺症
- 医師の同意のない骨折・脱臼(応急処置を除く)
- 仕事中の負傷や応急処置
これらに該当する症状の場合、原則として保険は適用されません。
交通事故の後遺症は医療保険が利用可能な場合も
交通事故の後遺症については、健康保険が申請できるケースもあります。ただし治療受けただけでは、保険が確実に下りるとは限りません。整骨院に通院する前に、保険会社の適用条件などを確認する必要があります。
また、事故の際は先に整骨院に通うのではなく、整形外科で医師の治療を十分に受けてから通うにようにしたほうがいいでしょう。整形外科での診察や治療を受けずに整骨院に通うだけでは、保険や損害賠償が適用外となってしまう恐れがあります。整骨院と整形外科を同時期に通うのも控えるべきです。
整骨院で施術を受けた際に保険金を受け取る方法
整骨院で施術を受けた際に、健康保険を使えるようにするためには、何に気を付ければよいのでしょうか。保険金をしっかり受け取るために、以下の項目を意識しておきましょう。
負傷した箇所を正しく伝える
整骨院で施術を受ける際は、負傷した箇所を正しく伝えるようにしましょう。また、負傷した年月日や負傷原因についても詳細情報を伝えることが大切です。なお、外傷性の負傷でない場合は健康保険を使うことができないケースがほとんどです。また、負傷原因が業務災害、通勤災害にあたる場合は、労災保険となりますので、健康保険は使うことができません。
療養費支給申請書を記載する
「療養費支給申請書」とは、整骨院が患者に代わって治療費を保険者に請求し、受け取ることを承認する書類ですが、この書類に記入する際は、記されている内容を必ず確認しておくことが大切です。稀に白紙のままサインを求められたり、印鑑の押印を求められたりすることがありますが、トラブルにつながる恐れがあるため応じてはいけません。
領収書をもらう
療養費を請求する際には、領収書の交付が義務付けられています。医療費控除にも必要となるため、必ず領収書をもらうようにしましょう。交付後は施術料金に間違いがないかを確認し、紛失のないよう保管します。
整形外科などの医療機関との重複受診は保険の適用外に
症状や通院の都合によっては、整形外科などの医療機関と同時に受診したくなるかもしれません。しかし、同一箇所について医療機関と整骨院を同時に受診すると、健康保険の対象外となるケースがほとんどです。治療が長期間になる可能性が高い場合は、まず整形外科など病院で診断、治療を受けた後、整骨院に通うようにしましょう。
民間の保険会社を利用する際には、医師の診断書を!
むちうちや交通事故の後遺症などで整骨院に通うときに、気を付けなければならないのが保険金の支払いです。整骨院は病院ではないため、レントゲン検査などを受けられません。そのため、検査結果が残らず、保険会社から治療費と認められないケースがあるのです。
トラブルとならないためにも、まずは整形外科などで医師の診断書をもらっておきましょう。治療目的で整骨院に通っていることを、客観的に分かるようにしておくことが大切です。
保険の適用範囲をよく確認しよう
一部の悪質な整骨院では、不適切な請求と知っていながら、療養費を申請するケースも見受けられます。施術内容に疑わしい点があれば、保険者からの調査が入る場合もありますので、判別しづらい症状の場合には、十分に注意が必要です。
交通事故の後遺症で通院する場合も、保険金をもらえるよう条件を整えておかなくてはなりません。必要以上に負担が増えないよう、自分の症状に保険が適用されるかを、入念に確認しておきましょう。
柔道整復師の専門学校に通い、柔道整復師の資格を取得。
卒業後接骨院で4年間勤務し、その後サンキュー整骨院グループの創設メンバーとして働き始める。
現在は柔整業界を引っ張るサンキュー整骨院グループの人事として、
自らの経験をもとに柔道整復師として働く人のために有益な情報を発信しています。
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「患者さんが納得のいく治療+コミュニケーション」が大切だと考えています。
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