柔道整復師向けエコーセミナーの内容は?施術に役立つ理由も解説
柔道整復師として長く活躍するためには、国家資格を取得した後も研鑽に励むことが大切です。知識や技術を新たに習得すれば、施術における選択肢も広がります。実際、柔道整復師向けのセミナーはたくさん開催されていますが、特に注目しておきたいものがエコーセミナーです。今回はエコーセミナーで学べるエコー装置の概要やメリット、セミナー情報などを紹介していきます。
目次
エコー装置(超音波画像観察装置)とは?
エコー装置(超音波画像観察装置)とは、骨・軟骨・筋肉・靭帯・腱など、皮膚の下にある軟部組織を画像に出して、観察できる装置のことです。
柔道整復師の主な仕事は、骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷といった外傷性の怪我を治すことですが、その際にエコー装置が役立ちます。外部から見えない軟部組織を視認できるため、どの部分が悪くなっているのか、どのように施術すればいいのかなどを、適切に判断できるのです。
2017年4月より柔道整復師養成施設のカリキュラムが改正され、総単位数や履修時間が引き上げられました。それに伴い、新たなカリキュラムとして「柔道整復術適応の臨床的判定(医用画像の理解を含む)」が追加されます。この医用画像には「超音波画像」も含まれているため、柔道整復師にとってエコー装置は必要不可欠な存在になりつつあるのです。
実際に、柔道整復師向けのエコーセミナーが開催されたり、研修センターが開設されたりするなど、業界内でも動きが起こっています。
柔道整復師の施術でエコー装置が役立つ理由
柔道整復師にとってエコー装置がもたらすメリットや、施術での必要性は気になるところです。そこで、エコー装置が役立つ理由についても解説していきましょう。
放射線による人体への悪影響がない
皮膚の下や身体の内側を検査するといわれた場合、一般的にイメージするのはレントゲン装置やCT装置です。どちらもエックス線によって画像を作り出す装置なので、少なからず放射線を浴びることになります。
一方、エコー装置はエックス線ではなく超音波で画像処理を行うので、放射線による人体への悪影響がありません。そのため、幼児・妊婦・高血圧の人など、エックス線検査を受けられない患者さんも問題なく使用可能です。さらに、放射線被ばくの心配がないので、何度も繰り返して検査できます。組織が改善しているかどうか経過を観察しやすいため、より適切なアプローチができるのです。
動画でリアルタイムに観察できる
レントゲン装置やCT装置で作り出せる画像は、基本的にすべて静止画です。そのため、骨や筋肉といった運動器を検査する場合、正確に観察しづらいケースもあります。運動器の場合、曲げる・伸ばすといった動作に伴う症状が多いからです。
これに対してエコー装置は、組織の状態をリアルタイムで表示させることが可能です。身体を動かしながら、動画のように組織を観察できます。静止画の検査結果だと、解剖学に基づいて動態を予測しなければならないところ、動画なら動態を一目で確かめられるため、より正確に検査できるのです。
特に柔道整復師は、触診によって患部の状態をチェックしますが、エコー装置を併用すれば触診の精度も高めることができます。また、スポーツ障害や運動療法に関わる機会も多いので、動的に観察できるエコー装置は相性抜群でしょう。
省スペース性に優れ、検査がしやすい
レントゲン装置やCT装置と違い、エコー装置は非常にコンパクトです。施術用ベッドのすぐ側に置いても邪魔にならないサイズなので、省スペース性に優れています。
また、外部に持ち出すこともできるため、スポーツの現場でも大いに役立ちます。近年、スポーツトレーナーの道に進む柔道整復師が増えているので、それを踏まえてもエコー装置はとても有用です。
さらに、操作が簡単で使いやすい点もメリットといえるでしょう。検査自体も数分~十数分程度で完了するため、時間もわずかしかかかりません。
柔道整復師向けのエコーセミナーが開催されている
柔道整復師がエコー装置について学ぶ場合、一番手っ取り早い方法はエコーセミナーに参加することです。エコーセミナーは医療機器メーカーや、整骨院・接骨院の開業サポートに携わっている企業が開催しています。
エコーセミナーの内容は開催元によって異なりますが、主にエコー装置の使い方やメリット、注意点などについて学べます。講義だけではなく、講師によるデモンストレーションを公開したり、少人数制で実技研修を行ったりするセミナーもあるため、実践的な技術も習得可能です。
注意するべきポイントは、柔道整復師向けのエコーセミナーを選択しなければならないことです。エコー装置は医師や看護師も使用するので、医療従事者向けのエコーセミナーもよく開催されています。同じエコーセミナーでも学べる内容に差異があるため、間違って参加すると混乱しかねません。
エコー装置を使いこなせば患者さんも増える!
柔道整復師がエコー装置を使いこなすことで、検査の精度を高められるのはもちろん、施術内容の検討や経過観察にも役立てられ、より質の高い施術を提供することができます。実際、エコー装置を導入している整骨院・接骨院を見てみると、「以前より患者さんが増えた!」という報告も上がっているため、経営の観点を踏まえてもメリット大です。一歩リードした柔道整復師になりたい、集客や売上を増やしたいという人は、一度エコーセミナーに参加してみてください。
柔道整復師の専門学校に通い、柔道整復師の資格を取得。
卒業後接骨院で4年間勤務し、その後サンキュー整骨院グループの創設メンバーとして働き始める。
現在は柔整業界を引っ張るサンキュー整骨院グループの人事として、
自らの経験をもとに柔道整復師として働く人のために有益な情報を発信しています。
サンキューグループでは、一方的に治療だけをするのではなく、
「患者さんが納得のいく治療+コミュニケーション」が大切だと考えています。
現在関東、関西を中心に全国で整骨院40店舗以上を展開中。