柔道整復師の受験資格とは?試験概要や難易度も併せて紹介

医療系国家資格である柔道整復師は、開業したり、さまざまな職場で活躍したりすることができます。そんな柔道整復師になるための国家試験の難易度やその合格率がどのぐらいなのか、そして受験するために必要な条件にはどのようなものがあるのかなどを調べてみました。

柔道整復師国家試験の概要

柔道整復師として働くためには、国家試験に合格して資格を取得する必要があります。

国家試験の概要は以下のとおりです。

試験日

毎年1回(3月上旬ごろ)

試験地

北海道、宮城県、石川県、東京都、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県

試験科目

解剖学、運動学、生理学、衛生学・公衆衛生学、病理学概論、一般臨床医学

外科学概論、整形外科学、リハビリテーション医学、柔道整復理論、関係法規

受験手数料

1万6,500円

試験の施行日や開催場所については、9月初旬に官報で公告されます。事前に受験願書などを提出しなければならないので、その辺りも含めてしっかりと確認しましょう。

なお、視覚・聴覚・音声機能・言語機能に障害を抱えている方が受験する場合、あらかじめ申し出ておけば必要な配慮をしてもらえることがあるので、事前に申し出るようにしてください。

柔道整復師の受験資格を得るには

柔道整復師国家試験を受験するためには、「学校教育法第90条の規定により大学に入学することのできる者、3年以上都道府県知事が指定した養成施設または文部科学大臣が指定した学校で知識および技能を修得した者」という条件を満たす必要があります。この受験資格について詳しく解説していきます。

都道府県知事が指定した養成施設を卒業する

都道府県知事が指定した養成施設とは3年制の専門学校を指し、北海道から沖縄まで全国108校159課ほどあります。

専門学校には、最短で柔道整復師国家試験の受験資格を得られるというメリットがあります。さらに、目的意識が高い幅広い年代の学生が多く集まるので、学習意欲を高め、国家試験に向けて勉強することが可能です。なかには、少人数制を採用して一人ひとりの学習指導を手厚く行なってくれる学校もあります。その他、即戦力となる実技を重視したカリキュラムや、スポーツトレーナーになれるような指導、手厚い就職支援なども強みとして挙げられます。

一方で、学習時間が大学よりも短いなかで学ばなくてはならないこと、一般教養科目をほとんど学ぶことができないことなどがデメリットです。学校によっては高卒者を対象に、夏休み期間に一般教養科目を設けている専門学校もあります。

文部科学大臣が指定した学校を卒業する

文部科学大臣が指定した学校とは4年制大学・3年制の短大を指しています。全国に大学13校、短大1校があります。特に大学では、4年間の学生生活のなかで余裕を持って学習することができるため、一般教養科目や興味がある科目も自由に選択することや、大学院への進学も視野に入れることが可能です。専門学校では得ることができない大卒資格も手に入れることができます。

一方、専門学校よりも学費が高くなり、柔道整復師として社会に出るまでにも時間がかかってしまう点がデメリットといえます。

養成施設・学校で必要な科目と単位数を履修する

単に3年間もしくは4年間学校へ通っただけでは、柔道整復師国家試験を受験する資格を得ることはできません。「知識および技能を取得した者」の要件を満たすために、合計34教科・99単位、計2,750時間以上の履修が必要となります。

99単位は大きく「基礎分野」「専門基礎分野」「専門分野」の3つに分けられており、例えば、基礎分野としては、外国語や人文科学、社会科学などの科目があり、科学的思考の基盤や人間と生活について学習します。

詳細は公益社団法人 全国柔道整復学校協会のホームページに掲載されていますので、詳しく知りたい方は、ご参照ください。

通信教育で柔道整復師の受験資格を得られる?

柔道整復師は専門的な知識・技術が求められる医療従事職であり、通信教育を通じての資格取得は今のところできません。先述のとおり、柔道整復師の養成施設に最低3年以上は通わなければならず、学費の工面はもちろん、時間もしっかりと確保する必要があります。

なお、専門学校なら夜間部を設置しているところもあるため、日中は会社で働いている社会人の方でも通学可能です。「学校に通いたいけど会社は辞められない」という方も、仕事と学業を両立できるので、柔道整復師への転職を考えている方は、ぜひ検討してみてください。

柔道整復師資格の難易度

ここでは、柔道整復師国家試験の難易度を国家試験の合格基準と合格率をもとに紹介していきます。

柔道整復師国家試験の合格基準

柔道整復師国家試験の合格基準は、必修問題の正答率が80%以上、一般問題の正答率が60%以上とされています。必修問題の正答率80%以上は必須であり、たとえ一般問題の正答率が100%であったとしても不合格となります。一方、一般問題の正答率60%以上という基準はあくまで例年の合格ラインが60%以上であるというデータに基づいたものです。

平成31年の受験データから見える柔道整復師の難易度

平成31年3月3日に実施された第27回柔道整復師国家試験の合格率は65.8%でした。受験者数6,164人、合格者数4,054人です。内訳は以下の通りです。

既卒受験者:2,095人、うち合格者552人、合格率26.3%
新卒受験者:4,069人、うち合格者3,502人、合格率86.1%

新卒受験者と既卒受験者では合格率に大きな差があります。いかに新卒での受験が有利であるかということがわかります。新卒受験者であれば決して難しい試験ではないので、新卒時の受験までにどれだけ効率良く勉強することができるかが重要となります。

学校によって開きのある柔道整復師の合格率

柔道整復師養成施設には、専門学校と大学と短大があります。全国に数多くの認定学校がありますが、学校ごとに合格率に差があることも事実です。4年制大学の柔道整復師科の受験合格率は高く、これは専門学校と比べ、時間に余裕を持って学習に取り組むことができるからといえます。

一方、専門学校には既卒受験者の合格率が高い学校があります。例えば、北信越柔整専門学校や呉竹鍼灸柔整専門学校、米田柔整専門学校などは学校の歴史が長く、なかには90年以上の歴史を持つ学校もあります。新卒だけでなく、既卒受験者の合格率も高い学校は、学校での学習カリキュラムや学習方法の指導などが手厚く、国家試験対策の学習がしやすい環境となっているといえます。

柔道整復師と他資格の受験資格を両方得る方法もある

柔道整復師養成施設では、柔道整復科以外にも鍼灸科やあん摩マッサージ指圧科がある場合が多く、3年間の学生生活で同時に他資格の受験資格を得ることが可能です。ダブルライセンスを得ることのメリットと、どのような方法でダブルライセンスの取得資格が得られるのかについて解説します。

柔道整復師と他資格のダブルライセンスのメリットとは?

柔道整復師同様、鍼灸・あん摩マッサージ指圧師も東洋医学の国家資格です。柔道整復師が複数の資格を所持していることで、それぞれを専門とした院よりも応用の利いた施術ができるようになるので、患者獲得の幅が広がります。また、スポーツトレーナーを目指す方は、選手の身体のメンテナンスする際に、柔道整復師と併せて他資格を有効に活用できるため、有利となります。

柔道整復師のダブルライセンスには時間とお金がかかるのでは?

専門学校には、昼間部・夜間部や午前部・午後部の2部制、さらに全日制が追加された3部制にしているところもあります。学ぶ時間が多様化している専門学校では、午前と午後、あるいは昼間と夜間で2学科を並行して学習することができます。

一年次からこのようなダブルスクールを採用すると、最短3年でダブルライセンスの受験資格を取得できます。学校を挙げてダブルライセンスの学習を支援しているところも多く、学費の減免も行なわれています。減免額は130〜230万円と学校によって差があるため、ダブルライセンスを考えている方は各学校の減免額にも注目してみましょう。

柔道整復師になりたいなら、受験資格を踏まえた学校選びを!

柔道整復師を養成するための学校は、国家試験に強い老舗専門学校から大学まで、全国各地に数多く設立されています。それぞれで合格率も変わってきますが、自分に合った学校を選択することや、手厚いカリキュラムを採用している学校を選ぶことが重要です。

専門学校には、柔道整復師と併せて鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師を学ぶコースがあることが多く、午前部・午後部などの2部制を利用して、最短3年でダブルライセンスを受験する権利を得ることもできます。ダブルライセンスを取ることで開業時に有利であったり、自身が対応できる患者の幅が広がったりと多くのメリットが手に入るでしょう。社会人向けに夜間部を設置している学校も多いため、現状の仕事を続けながら柔道整復師の道に進むことも可能です。

一方、大学なら4年間じっくり勉強できる、一般教養について学べるといったメリットがあります。また、大卒資格が手に入ることも見逃せません。実際、柔道整復師は整骨院だけではなく、スポーツ業界や介護業界でもニーズが高まっているので、さまざまな進路を検討しやすいのは大学の魅力といえます。

最後に、柔道整復師として働くには学校に通うだけではなく、国家試験を受けるためにきちんと卒業しなければなりません。学習内容やカリキュラムはもちろん、学費・減免額・通学時間なども比較しながら、無理なく通える学校を選びましょう。

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