接骨院で施術したあと、「揉み返し」と呼ばれる反応が起こることがあります。施術後にいつも揉み返しが気になる場合や痛みがひどい場合には、適切に対処する必要があるでしょう。
そこで本記事では、揉み返しが起こったときの対処法や生活上の注意点を紹介します。また、揉み返しと間違えやすい「好転反応」についても併せて解説します。
目次
揉み返しとは?好転反応との違いを解説
まず、揉み返しとはいったいどのような症状なのかを確認しておきましょう。症状が似ている、好転反応との違いも解説します。
揉み返しとは?
揉み返しは、接骨院での施術を受けたあとに身体がだるくなったり、施術を受けた箇所が痛くなったりする症状のことを指します。揉み返しの程度は人によって異なり、施術を受ける前よりも身体のこりがひどく感じる、頭痛がするなどの症状を訴える方もいます。
揉み返しはおもに、マッサージなどによって傷ついた筋肉が炎症を起こすことで起こります。筋トレ後に筋肉痛になるのと同じく、筋繊維が傷ついているのです。施術の際にツボの場所を間違えていたり、力が強すぎたりすると、揉み返しが起こりやすくなります。
「揉み返し」と「好転反応」の違いに注意
揉み返しとともに知っておきたいのが、好転反応です。施術後に現れるすべての痛みが揉み返しというわけではなく、好転反応である場合もあります。
好転反応は揉み返しとは異なり、身体が回復しているサインの一つです。身体の歪みが解消されたり、老廃物が排出されたりする際に、一時的に起こる不快な反応とされています。
揉み返しと同じく、好転反応の現れ方にも個人差があるので「この症状なら必ず揉み返し」「これは絶対に好転反応」などと言い切ることはできません。ただし一般的には、こりが施術前よりもひどく感じる、頭痛など他の症状も出るという場合には、揉み返しの可能性が高いとされています。それに対し、全身が熱くなる、体がだるくなるという場合には、好転反応の可能性が高いと考えられています。
揉み返しも好転反応も、通常であれば2〜3日程度でおさまりますが、2〜3日を過ぎても痛みが引かなかったり、次第に痛みが増したりする場合には注意が必要です。関節の不具合やケガの恐れがあるので、はやめに病院を受診しましょう。
接骨院の施術で揉み返しになった際の対処法とは
接骨院の施術を受けたあと、揉み返しの症状が現れた場合にはどう対処すべきでしょうか。
揉み返しになった際の応急処置
揉み返しはケガの一種とも考えられるので、まずはケガの場合と同様の応急処置をしましょう。
揉み返しになった直後には、患部を冷やすのが効果的です。氷の入ったビニール袋や保冷剤をタオルにくるみ、患部に当てるなどして傷ついた筋繊維を冷やします。冷やす際、氷の入ったビニール袋や保冷剤を直接肌に当てると凍傷になる危険性があるので、必ずタオルなどにくるむようにしましょう。また、揉み返しの症状がおさまるまで、激しい運動は控えてください。
そして、患部を冷やす期間は長くても2日にしましょう。患部を冷やし始めてから2日経ったら、今度は同じ箇所を温めます。
揉み返しがひどいときに控えること
揉み返しがひどいときには、以下のような行動は避けたほうがよいでしょう。
- 患部を温める
- ストレッチをする
- 激しい運動をする
- 飲酒をする
血液の循環を促進したり、筋繊維を伸ばしたりする行為は、炎症をさらに悪化させる可能性があります。揉み返しの症状がひどいうちは、なるべく安静にしましょう。痛い場所はつい温めたくなるかもしれませんが、先述のとおり、患部を温めるのは2日間の冷却を行なってからにしてください。また、肝臓の働きを筋肉の修復に充てるために、飲酒は控えるようにしましょう。
揉み返しがつらい場合には、施術方法の再検討を

揉み返しがつらい場合には、決して我慢せずに、接骨院の施術方法を再検討しましょう。
施術の強さについて柔道整復師に相談する
まずは、通っている接骨院の柔道整復師に揉み返しについて相談してください。施術の力が強すぎると揉み返しが起きやすくなるので、力加減を調整してもらうとよいでしょう。
女性の場合は、同性の柔道整復師に施術を依頼してみるのもおすすめです。
それでも揉み返しがひどいなら、施術方法を変えてみる
上記のように接骨院に相談して、施術の強さを変えてもらっても揉み返しが起きてしまう場合には、施術の方法が自身に合っていない可能性があります。
通っている接骨院に相談して施術方法を変えるか、接骨院そのものを変えることを検討してください。変更後の接骨院では、これまでに受けていた施術の内容と、その施術で揉み返しが生じたことを最初にしっかりと伝えましょう。
揉み返しが少ない施術もある!
アロマオイルなどのマッサージや、ボキボキ鳴らないストレッチ系の整体など、揉み返しが起きづらい施術もあります。施術を受ける前には、具体的にどういった内容なのかを調べておくとよいでしょう。
また、揉み返しに不安があることを、あらかじめカウンセリングで伝えることも大切です。
接骨院の揉み返しが気になる場合は、我慢せずに申告を
揉み返しは、マッサージなどによって筋繊維が傷つくことで起こります。症状は好転反応と間違えやすいですが、身体が回復しているサインである好転反応とは異なり、揉み返しは身体からの警告サインです。
揉み返しが気になるなら、決して我慢をせず、遠慮なく通っている接骨院の柔道整復師に相談しましょう。施術の力を弱めたり、施術方法を変えたりと、揉み返しを防ぐためにさまざまな工夫を行なってくれるはずです。それでも改善しない場合には、接骨院を変えることも検討してみてください。