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柔道整復師が名義貸しを行うのはなぜ?実際に起きた事例を調べてみた

柔道整復師の国家資格を取得すれば、整骨院を開業できるのはもちろん、保険を適用して施術できるという大きなメリットが得られます。しかし、このメリットを悪用して、療養費を不正請求している柔道整復師も出てきているのです。そこで、今回は柔道整復師の「名義貸し」による不正請求問題について、実際に起こった事例も交えながら解説していきます。

名義貸しとは?

「名義貸し」とは、柔道整復師の資格を持っている人が特定の整骨院(接骨院)に対し、実際は勤務していないにも関わらず、名義だけ貸すというものです。その柔道整復師の名義だけ借りて、無資格の従業員が施術を行ったり、療養費を不正に請求したりするといった問題が起こっています。

名義貸しで謝礼受け取り

2013年、柔道整復師の資格を持つ福岡ソフトバンクホークスの元トレーナーが、勤務実態のない整骨院に「施術管理者」として名義貸しを行い、その整骨院が療養費を不正請求していたことがニュースとなりました。元トレーナーは名義を貸す代わりに、経営者から謝礼として金銭を受け取っていたと認めています。

調査によると、不正請求が行われた期間は2009年1月~2011年6月まで、被害総額は約272万円とのことです。整骨院の利用者から請求内容の問い合わせがあり、その後に行われた監査で不正請求が発覚しました。

名義貸しを行った元トレーナーには、療養費の受領委任取扱いを5年間中止相当とする処分が下されています。

施術していないのに療養費を請求

2012年、京都府宇治市の整骨院に名義貸しを行っていた女性柔道整復師に対し、近畿厚生局は療養費の受領委任取扱いを5年間中止相当とする処分、および被害総額約215万円の返還命令を下しました。

この整骨院は2011年5月~10月の間、無資格の従業員が産休で休んでいた女性柔道整復師の名義を使って、療養費を請求していました。さらに、施術日数を水増しする架空請求も行われていたとのことです。女性柔道整復師は「開設者に経営を任せていた」と話しています。

柔道整復師の名義貸しによる不正請求が問題に

柔道整復師の大半はルールをきっちり守って、いつも真面目に働いています。しかし、一部の柔道整復師が起こした療養費の不正請求問題により、柔整業界全体の信頼が低下してしまっていることも事実です。

また、名義貸しは不正請求のおける手口の一つに過ぎません。施術回数の水増し・施術内容の偽装・架空請求など、他にも様々な手口が使われています。不正請求問題の中には、反社会的勢力が関わっていたり、被害総額が1億円を超えたりするような事例もあるのです。

このような状況に対し、柔整業界では報道内容の共有や療養費制度の改定など、様々な対策が行われています。信頼されるクリーンな柔道整復師を目指すなら、不正請求の背景や処分内容についても知っておきたいところです。

名義貸しで療養費の不正請求を行う理由は?

柔道整復師の不正請求問題における背景には、柔整業界の競争激化があります。1998年の方針転換により、柔道整復師の養成施設は15校から100校以上まで増加しました。それに伴い、2008年~2018年の10年間で柔道整復師は約3万人、整骨院は約1万6,000件と急増しており、その数は今なお増え続けています。

地域によって異なりますが、柔道整復師は需要に対して供給が多すぎるため、現状のような競争激化が起こったと考えられています。思うように集客できなかったり、利益を出せなかったりして、経営不振に陥る整骨院が増えた結果、名義貸しや不正請求に手を染めてしまう柔道整復師も出てきてしまったのです。

また、整骨院では患者さんに代わって柔道整復師が療養費を請求する「受領委任」が認められていますが、これも不正の温床だと言われています。月初めに患者さんから療養費支給申請書へ署名してもらえば、後は整骨院側ですべて管理することになるため、水増しや偽装が簡単にできるのです。

これらの問題を受けて、国は受領委任制度の見直しや、柔道整復師への指導強化に取り組んでいます。

療養費の不正請求をするとどうなる?

名義貸しによる療養費の不正請求が発覚すると、受領委任の取扱い中止の処分を受けたり、被害総額の返還を求められたりする可能性があります。各厚生局のホームページでは、受領委任の取扱い中止の事例内容とともに、柔道整復師の氏名や整骨院名まで公開されているため、信頼低下は避けられません。

また、不正請求の手口によっては、さらに重い免許取り消しや業務停止といった処分を受けるケースもあります。悪質な手口と見なされれば、逮捕や書類送検など刑事処分の対象にもなり得るのです。

そのため、柔道整復師を目指しているなら、余計なトラブルを起こさないためにも、しっかりとした経営を行っている整骨院へ就職するようにしましょう。

保険や受領委任の知識をしっかり習得しよう

柔道整復師として健全に働きたいなら、柔道整復師法などの関連法規を把握するのはもちろん、保険や受領委任に関する知識もしっかり習得しなければなりません。悪事を働く気がなくても、知識不足によって不正請求を起こしてしまう可能性もあるからです。確かな知識を身につけておけば、患者さんにも療養費の正しい知識を伝えられるようになるので、信頼獲得にもつながります。また、悪徳ビジネスに巻き込まれないよう、名義貸しを行わないことも大切です。

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