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ランニングで足首に痛みが……予防法とシューズの選び方を解説します

健康維持やダイエットのためにランニングをしている方も多いと思います。しかし、そのせいで足首を痛めた経験のある方もいるかもしれません。健康のために走っているのに、それでは本末転倒です。
今回は、ランニングで足首に痛みが起きる原因や、痛みの予防方法などを解説します。

ランニングで足首に痛みが起こる原因

ランニングで足首が痛む場合には、まず具体的にどこが痛いのかを確かめましょう。痛みを感じる部位によって、痛みの原因は異なります。

捻挫

足首に痛みがある場合、足関節捻挫の可能性が考えられます。足関節捻挫では、足首を内側にひねり、足首の外側(くるぶしの辺り)に痛みが出る「内反捻挫」が代表的です。内反捻挫は足関節を支えているじん帯の断裂や部分的な損傷のことをいいます。 一般的には、捻挫は「足をくじいた」「足をひねった」というような言い方をしますが、内反捻挫を起こすと足関節の外側が膨れ上がり、内出血で青紫色になることもあります。

足関節の捻挫は、スポーツ中の着地や踏切など、足首に強い負荷がかかったときに起こります。ランニングなら、路面の段差や凹凸に気づかずに踏み込んで、バランスを崩したときなどです。  

足首を捻挫したときのケアは、すぐに患部を冷やし、安静にすることです。包帯などで圧迫したり、患部を頭より高くしたりして、腫れを防ぐことも大切です。「たかが捻挫」と軽く見ていると、癖になってしまい、繰り返し足首を痛めてしまうおそれもあります。

アキレス腱炎・アキレス腱周囲炎

足首の外側やかかとに痛みがあるときは、アキレス腱炎やアキレス腱周囲炎の疑いがあります。アキレス腱の炎症のおもな原因は、ふくらはぎが硬くなっていることや、走りすぎによるアキレス腱への負担の蓄積などです。痛みがあるのに治療しないで放置していると、肉離れやアキレス腱断裂を起こすこともあります。
また、足に合わない靴も、アキレス腱に負担をかけます。

シンスプリント

膝から足首の内側にかけて伸びている脛骨(けいこつ)の下部にうずくような痛みがある場合、シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎/けいこつかろうせいこつまくえん)の可能性があります。足のつま先を上げるときに使う筋肉を酷使すると、脛骨につながっている骨膜(骨を覆う膜)に炎症が起こります。長距離を走る競技をしている選手に起こりやすく、激しい運動を急に再開した方にもよく見られる症状です。始めたばかりの部活動で、いきなりきつい練習を行なった場合などにも起こりうることから、「初心者病」などとも呼ばれています。

なお、足首の内側に痛みを感じる場合は、疲労骨折の可能性もあるので注意してください。シンスプリントは脛骨に沿って鈍痛がありますが、疲労骨折の場合は一点に痛みが集中することが多いです。

ランニングによる足首の痛みを予防する4つの方法

ランニングを始める際には、正しい知識を学び、時間をかけて準備をしましょう。正しく事前準備を行なうことで、怪我や足首への痛みを防ぐことが期待できます。

正しいランニングフォームを身につける

まずは足首に負担のかからないフォームを心がけましょう。「足首に負担をかけない=走っているときの上下動を少なくする」と考えてください。背筋を伸ばして軽く胸を張ると、骨盤の上に重心がきます。重心が安定すれば、フォームも安定します。なるべく筋肉に頼らず、「骨で立つ」イメージで姿勢を整えると、身体への負担が軽くなり、上下動も少なくなるでしょう。

また、着地の際は、つま先を「前に真っすぐ」向けるよう意識します。つま先が外を向いたり、内を向いたりしていると、不安定な力が足首にかかることになり、足首痛や怪我の原因になります。

なるべく余計な動きをなくし、一定のフォームで走り続けることが怪我を防ぐ基本です。

ランニング前に入念なストレッチを行なう

どんなに走り慣れている人でも、事前のストレッチなしにいきなり走り始めると、往々にして怪我をしてしまうものです。走る前には入念なストレッチをして、足首まわりの筋肉を伸ばしたり、ほぐしたりしておきましょう。
ここでは、基本的な足首のストレッチを3つ紹介します。

・足首を回すストレッチ

  1. 床か椅子に座って、どちらかの脚の膝を立てる
  2. 反対側の脚をその上に載せる
  3. 上に載せた足をつかんで、ゆっくりと足首を回す
  4. 時計回りと反時計回りをそれぞれ20~30回ぐらい繰り返し、反対側の脚も同じように行なう


・足首を前後に倒すストレッチ

  1. 長座(両脚を伸ばして座った状態)の姿勢から、両足のつま先をつかむ
  2. 両手でつま先を手前に引き寄せる感じで、アキレス腱やふくらはぎを伸ばす
  3. 強く反動をつけるのではなく、ゆっくりと引っ張り、5秒ほど体勢をキープする
  4. 脚全体を伸ばすように、つま先を押していく
  5. 足の甲が伸びたら、その状態のまま5秒ほどキープする
  6. 1と2を交互に5回ずつ行なう
  7. 一度起き上がり、両膝を抱えて小さくしゃがみ込む
  8. その姿勢でつま先立ちになり5秒キープする


・アキレス腱を伸ばすストレッチ

  1. 仰向けに寝て、片脚を天井に向けて真っすぐ伸ばし、足の裏にチューブを引っかける
  2. チューブの両端を左右の手で持ち、手前に引き寄せる感じで引っ張り、アキレス腱やふくらはぎを伸ばす
  3. その状態を20秒キープする
  4. 天井に伸ばしていた脚を、右側にひねってふくらはぎの筋肉を伸ばす
  5. その状態で20秒キープする
  6. 反対側にひねって、20秒キープする
  7. 反対の脚も同じように行なう

足首用のサポーターを使う

サポーターを着用すると、足首の可動域が狭まるので走りづらく感じることもあります。しかし、サポーターで足首を固定すると、足首への負担が軽くなります。急に止まったりひねったりしたときにかかる負荷からも、足首のじん帯や筋肉を守ってくれるので、サポーターの着用はメリットが大きいです。足首の捻挫が癖になっている方も、サポーターを使うといいでしょう。

ランニングシューズを履く

自分に合ったシューズ選びも、足首の怪我を防ぐうえで重要です。ランニングシューズは足首の負担を軽減するように設計されているので、他のシューズで走ると足首に受けるダメージも大きくなります。シューズの選び方は、次の章で詳しく説明します。

足首の痛みを予防するランニングシューズの選び方

ランニングシューズが合わないと、足首を痛めるリスクが高くなります。ランニングシューズを目的に合わせて上手に選べると、足首痛の予防にもつながります。

クッション性・反発性を考慮する

まだ十分な筋力がついていないランニング初心者は、クッション性が高く衝撃を和らげる構造で、反発性が低い(比較的硬い)シューズを選びましょう。多少重たく感じられるかもしれませんが、足への負担が軽減されます。ゆっくりしたペースで走る方にも、このタイプのシューズがおすすめです。

中級者や、エンジョイ志向で距離のあるレースに参加するようになれば、クッション性が高いのは同様ですが、反発性の高い(やや柔らかめな)シューズを選ぶと良いでしょう。

適切なサイズ感のものを選ぶ

サイズが合っていないシューズは、いくら機能に優れていても、足首痛や怪我の原因になりかねません。大きすぎず、小さすぎず、指先が自由に動くくらいのサイズ感で、足の甲やかかとがフィットしていることが大切です。シューズの中で足がブレなければ走りが安定し、怪我を防げます。サイズだけでなく、足の幅にも注意しながらシューズを選んでください。
スポーツショップなどで実際に履き心地を試してから購入するのが望ましいですが、インターネット通販で購入する際は、返品ができるかどうかをあらかじめ確認しておきましょう。

ランニングによる足首の痛みは予防可能

ランニングに適したシューズ選びや、走る前の入念なストレッチ、走っているときの姿勢など、細かいところまで気を配れば、ランニングによる足首の痛みを予防することができます。
捻挫をしたりアキレス腱炎を発症したりして足首に慢性的な痛みを抱えると、走りたくなくなるだけでなく、日常生活にも影響が出ます。長くランニングを楽しむためにも、普段から足首痛の予防を心がけてください。

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